今回はあの斎藤道三の息子、美濃(みの・岐阜県)の守護大名、斎藤義龍/高政(さいとうよしたつ/たかまさ)を取り上げます。
あの道三の息子?
そう。高政は歴史好きの中でもファンが多いんだよ。
実の親を殺したとして悪名高い斎藤義龍(高政)。
今回はそんな義龍(高政)から学べる処世術を紹介していきます。
目次
斎藤義龍/高政のプロフィール

名前:斎藤義龍/高政(さいとうよしたつ/たかまさ)
生年月日: 1527年7月8日
生まれ: 美濃国(みの・岐阜県)
仕事:美濃の守護大名・政治家
大河ドラマ「麒麟がくる」では伊藤英明さんが演じていた義龍。
ドラマでは幼いころから光秀と共に美濃で過ごしたとされ、その生涯が描かれていました。
まずは斎藤義龍/高政の生涯をサクッとみてみよう。
斎藤義龍(高政)はマムシの子として生まれる

斎藤義龍は斎藤道三(さいとうどうさん)の長男として美濃(みの・岐阜)で生まれ育ちます。
義龍の父親、斎藤道三は(諸説ありますが)名もない身分から一国の武将にまで上り詰めた下剋上大名。
出世のためなら手段を択ばず、暗殺を繰り返し、非情なやり方で美濃(岐阜)の大名にまで上り詰めた武将として「美濃のマムシ」と恐れられていました。
斎藤義龍(高政)は父と正反対の性格だった

大河ドラマ「麒麟がくる」の序盤にも、父道三と息子義龍の険悪なムードが描かれていたように、二人の親子は何度かその正反対の性格が理由ですれ違っていました。
どうして?
この親子には大きな違いがあったんだ。
伝統や常識をものともせず、これまでにない発想で目の前の障害をなぎ倒すようにして上り詰めた斎藤道三に対し、息子の斎藤義龍はしきたりや伝統を重んじる性格でした。
そのことが顕著にみてとれるのが二人の肖像画です。

斎藤道三は自ら「二頭立浪(にとうたつなみ)」の信条を表す「波」をモチーフにオリジナルでデザインした家紋を作ったのにもかかわらず、息子の義龍は天皇や足利家が使っている伝統的な「桐」の家紋を身に着けています。
普通に考えれば父の家紋を受け継ぐのが習わしなのにもかかわらず、この家紋ひとつとっても息子義龍の父への反骨精神が見て取れます。
ふむふむ
斎藤義龍(高政)の本当の父親は誰なのか

斎藤義龍は、道三の正室(本妻)の子ではなく側室(愛人)である深芳野(みよしの)の子として生まれ、他の正室の子供たちとは違い「愛人の子」として肩身の狭い思いをして育ちます。
ただ、母親の深芳野は道三の愛人になる直前まで、道三の元上司であり道三が追いやった土岐氏の愛人でもあったため、「義龍は土岐氏の血が流れているのでは」という噂があり、義龍もまた「自分は何者なのか」と悩まされたことでしょう。
頼芸の肩に鷹がいる。
— asuka@麒麟を待つおんな (@ijintachi) September 5, 2020
#偉人たちの健康診断 #麒麟がくる pic.twitter.com/u48kmLqI1F
まさかの昼ドラ展開!
斎藤義龍(高政)はワンマンな父を認めなかった

自分の力だけで、名もない身分から大名にのぼりつめた斎藤道三は、戦術や政治ごとなど何事も独断で決めてきました。
ただでさえ卑怯なやり方で成り上がった道三に対して不満があった部下たちは、そんな道三のワンマンなやり方に対する不服がたまっていました。
道三を非難する部下たちは次第に息子の義龍のもとに集まり、自分たちの意見にきちんと耳を傾けてくれる義龍(高政)を頼りにしていきます。
義龍の父親がかつての美濃の大名である土岐家の血をひく者だという噂も相まって、部下たちは義龍(高政)に期待するようになったといわれています。
斎藤義龍(高政)は「長良川の戦い」で父を倒す

親子の溝はどんどんと深くなり、ついに義龍(高政)は道三側についた弟たちを殺害して道三を孤立させてしまいます。
え…うそでしょ
出世のためなら暗殺などなりふりかまわずだった道三は、まさか最終的に自分の子どもに息子たちを殺され、自分も追い詰められてしまうなんて思ってもみなかったことでしょう。
結果道三は長良川の戦いで息子義龍(高政)の軍に敗れ、討ち死にしてしまいます。
斎藤義龍(高政)に学ぶ処世術
日本史では悪名高い道三の息子として影を潜めていますが、その出生から義龍は義龍なりの葛藤があったと思います。
道三の後美濃を収めた彼から学べることはたくさんあります。
斎藤義龍(高政)は皆の意見に耳を傾けた

斎藤義龍はワンマンの父道三と違い、部下たちの意見にもよく耳を傾け、彼らの意見を反映したと言われています。
独断で進めるのではなく合議制を採用し風通しのよい組織としました。
また領民たちが長年苦しめられてた領土問題も解決するなど、内政に集中し民たちの意見を熱心に取りいれました。
義龍のこういった「傾聴力」は道三のやり方とは違い、後に評価されています。
「麒麟がくる」の義龍(高政)にも注目

2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」では序盤に登場する斎藤義龍。
彼のキャラクターは果たしてどのように描かれるのでしょうか、目が離せませんね。
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斎藤義龍(高政)にもっと学ぼう
今から約50年前の1973年に放送されたNHKの大河ドラマ「国盗り物語」では、今回ご紹介した斎藤道三が主役です。
誰もが天下盗りを夢見た戦国時代。 一介の浪人から身を起こした斉藤道三の野望の結末は…。
守護土岐氏を追放して戦国大名化した「美濃の蝮」道三、悲劇的な父子対立、宿敵織田信長との抗争による滅亡と、波瀾万丈な斎藤氏三代の興亡を新史料から鮮やかにひもとく。
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プロフィール

asuka(30代)
twitter : asuka@麒麟を待つおんな
超ライトな歴史好き(歴史勉強中)
歴史は大人になってからの方が面白いと気付いた元日本史アレルギーのアラサーOL