石田三成から学ぶ処世術|秀吉の右腕として最後まで尽くした部下

天下分け目の関ヶ原で西軍の総大将として東軍徳川家康(とくがわいえやす)軍に敗れたことで知られる石田三成(いしだみつなり)。

へ―知らないこの人。

石田三成はあの豊臣秀吉(とよとみひでよし)の右腕と言われた人なんだ。

歴史は常に”勝者”の歴史と言われています。つまり、戦争で勝った人が好きなように歴史を書き換えられるということです。

石田三成は、1600年の「関ヶ原の戦い(せきがはらのたたかい)」で戦に負けたことが理由で、歴史的にも悪いように書き残されてしまい現代にいたるまであまり良い評判がない武将です。

今回はそんな石田三成から学べる処世術をご紹介します。

石田三成のプロフィール

名前:石田三成(いしだみつなり)

生まれた年: 1560年

生まれた場所: 近江(おうみ・今の滋賀県)

仕事:大名

家紋:九曜紋(くようもん)・下り藤(さがりふじ)

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九曜紋

旗印:大一大万大吉(だいいちだいまんだいきち)

皆はひとりのために、ひとりはみんなのために という意味

信長・秀吉・家康ほど目立った人気はありませんが、実は石田三成はとても優秀な政治家だったことがわかっています。

そんな石田三成の功績をサクッとみてみよう。

豊臣秀吉の右腕として活躍

1582年の本能寺の変(ほんのうじのへん)で、織田信長(おだのぶなが)が暗殺された後、政治の主導権を握ったのは、信長の忠実な部下のひとり豊臣秀吉(とよとみひでよし)でした。

一躍日本中にその名を挙げた秀吉は、数々の制作を打ち立て堺(さかい・今の大阪)を中心に日本を豊かにしましたが、その功績は秀吉に仕える優秀な部下、石田三成(いしだみつなり)がいたからこそだといわれています。

教科書に出てきたあの「太閤検地(たいこうけんち)」や「刀狩り(かたながり)」など豊臣秀吉の時代の政治のほとんどは石田三成が支えていたといっても過言ではありません。

えー!そうなの?それはすごい人だ!

武力ではなく知力で出世

大河ドラマ「真田丸」の石田三成

豊臣秀吉の時代は、各地の有力な大名たちが織田信長がそうしたように天下を狙って戦に明け暮れる時代でした。

各地で優秀な武将たちがしのぎを削っていたそんな時代、出世する者=戦が強い者でした。

豊臣秀吉に仕える部下たちもまた、戦で勝利を収めることが出世の条件だったのにもかかわらず、三成は戦が苦手でなかなか武功(ぶこう・戦での手柄)を上げることができませんでした。

戦場で成果を上げられなかった三成は、武力ではなく知力で秀吉に認められていたといわれています。

三成は細かい計算やシステム作りが得意だったことを秀吉に買われ、太閤検地など全国的な統治システムを作り上げました。

また、それまで土地によってバラバラだったモノの単位を統一し日本の商業を円滑にすすめさせたのも三成の功績です。

豊臣秀吉は優秀な石田三成をいたく気に入り、最後まで部下としてそばにおきました。

戦がすべてだった時代に、頭脳で認められるなんてカッコいいね!

褒美を断ってまで国に尽くした

優秀な部下の三成に対して、秀吉はしばしば褒美をあたえます。

当時の武将たちが1番喜ぶ褒美というのが土地でした。

秀吉に土地をもらうということは、自分がその土地のリーダーになり、その土地でとれたお米や作物を管理できるということ。

当時の武将たちにとっては、自分たちがどれくらいの土地をもっているかがひとつのステータスとなっていました。

三成は秀吉から九州の土地をやると提案されますが、なんとその提案を断ってしまうのです。

三成は「僕が幕府からいなくなれば国を整備する人がいなくなってしまうから」と、土地よりも国の整備を優先してしまうほど、誠実に日本の未来を考えていた人だったんです。

三成・・真面目w

徳川家康にも恐れられる存在

後に豊臣秀吉のあとを継いで天下を取り、その後200年続く江戸時代を切り開いた徳川家康(とくがわいえやす)にとっても、自分と同じように織田信長に仕えてきた秀吉は目の上のたんこぶのような存在でした。

秀吉にかわって天下を狙う家康にとって、秀吉よりも恐ろしい存在だったと言われていたのが、頭の良い三成でした。

秀吉の死後、それまでひそかに力をつけていた家康は、これまで以上に天下統一の意思をあらわにし始めます。

「このままでは大切に守ってきた豊臣政権が家康によって奪われてしまう」と感じた三成は、家康から豊臣秀頼(とよとみひでより・豊臣秀吉の子ども)を守らねばと決め、家康に不満を抱く各地の大名たちに手紙を送り、「秀吉さんの恩義を今返すときです」と呼びかけて多くの兵を味方に付けることに成功しました。

それにビビった家康は、三成と同じように必死に裏で動き、諸大名たちと密約を交わしました。

「三成の味方にならなければ、あの土地あげるよ」と利益をちらつかせることでたくさんの武将を味方につけてしまったのです。

なにこのインテリな二人の攻防戦!

この時代は誰を味方につけるかがとても大事だったから、こういうずるがしこい作戦が当たり前だったんだ。

関ヶ原の戦いで大敗

秀吉のあとの権力をめぐった三成と家康の戦いは、結果全国の大名たちを巻き込むことになりました。

当時の日本が三成率いる西軍と、家康率いる東軍の2チームに分かれる大規模な戦となってしまいます。

結果はみなさんもご存知のとおり、三成の応援に来てくれるはずだった毛利軍が家康と裏で密約を交わしていたため、戦当日に応戦してくれず、三成率いる西軍はあっという間に総崩れとなりました。

人の心、測りがたし。

これは豊臣家のために一緒に戦おう!と言ってくれた人たちに次々と裏切られ、豊臣家への忠誠よりも現実的な利に走る人のもろさを嘆いて三成が漏らした言葉です。

え・・裏切られたんだ・・

石田三成に学ぶ処世術

秀吉の下で必死になって働き、上司の死後はその権力を守るために慣れない戦を繰り返すこととなった三成。

そんなどこかかわいそうな三成からも、実は学べることはたくさんあります。

些細なことも丁寧に

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三成はもともと、近江(おうみ・今の滋賀県)のお寺で修行する名もない青年でした。

当時武将の間で流行っていた鷹狩りのために秀吉が近江まで足を延ばし、熱くて疲れたといって休憩がてらに寄ったお寺が、まさにその三成がいたお寺でした。
のどが渇いた秀吉は、お寺の青年にお茶を頼みます。
するとその青年は、大きなお椀にぬるめのお茶をたくさん入れて持ってきました
ごくごくと飲み干した秀吉はおかわりを頼みます。

すると青年は少し小さめのお椀にさっきよりも少し熱いお茶を入れてもってきました。
それをまたごくごくと飲んだ秀吉はさらにおかわりを頼みます。

すると今度は小さなお椀に熱々のお茶を少しだけ入れてもってきました。

この気遣いに築いた秀吉は、三成を気にいり自分の部下としてスカウトしたという話が残っています。

使える!処世術
どんな些細な頼まれごとをされても、相手のことを思ってさり気なく気を利かせてみよう。
偉い人ほど、人の細かいところを見ていることが多いので、小さなことにも注意を払うことが大切ですね。

自分が出来ることを最大限発揮する

Person Using Laptop Computer on Brown Wooden Table

三成は戦のない平和な世の中にするために、秀吉の下で必死になって国をまとめる仕組みづくりに力を注ぎました。

褒美を与えられてもその権威に目をくらませることなく、ただただ真剣に真面目に自分にできること、秀吉から求められていることを全うしました。

大阪の陣でも、関ヶ原の戦いでも、三成は権力が欲しかったのではなくただ「豊臣家を守るために」必死になって最後まで戦った家臣のひとりでした。

三成はそうしていつも自分ができることを精一杯実行してきただけだったといえます。

そんな三成の誠実な姿は、時の権力者秀吉に認められる存在となりました。

使える!処世術
今の自分にできることはなにか?求められていることはなにか?それを今の自分が精一杯できているか、もう一度考えてみたいです。

どんな相手も完全には信用しない

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三成の失敗からも学ぶことはたくさんあります。

やはり自分とは違った考えをもつ人たちのことを理解することができなかったという点です。

秀吉から与えられる褒美を断ってしまうほどの三成には、利益のためなら人をも裏切る諸大名たちの気持ちは到底理解できるはずもありません。

そういった「人の心」を測ることに関してまでは読むことにおいては、家康の方が一歩も二歩もうわてだったといえます。

武士の世界は義理人情を重んじる文化がありますが、このころからもう権力者間の裏切りが定番になってきます。

関ヶ原の戦いが歴史に残る戦いなのは、日本中の大名軍が戦った大規模な点もありますが、数として有利だった三成の軍が負けてしまったという逆転劇と、それが裏切りにまみれた戦いだったということが言えると思います。

人を信じることは大切ですが、信じ「きる」ことは利口とは言えないことが石田三成の失敗から学べます。

使える!処世術
大切なのは、信じられる仲間をつくること。
でもここぞという正念場ではその仲間たちを100%信頼してはいけません。
突然会社を辞める人もいれば、陰であなたの不満を言ってる人もいることを意識しておきましょう。

三成をもっと知ろう

大河ドラマの時代考証でお馴染みの歴史学者小和田先生による石田三成本。
とても読みやすいのでお勧めです。

豊臣政権の官房長官というべき地位にあって、秀吉の右腕として辣腕をふるった三成。本来、名官房長官として歴史に書き記されるべき三成が、いつ、なぜ、どのようにして「姦臣」に仕立て上げられてしまったのか。

過去の大河ドラマでもっと学ぼう

2009年に放送されたNHK大河ドラマ「天地人(てんちじん)」は、妻夫木聡主演で秀吉や家康を魅了した上杉家の家臣・直江兼続の生涯を描いた名作です。小栗旬演じる石田三成がイケメンで見ものです。

歴代の大河ドラマも、動画配信サービス「NHKオンデマンド」と「U-NEXT」で配信されています。

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アニメで石田三成をもっと知ろう

ねこねこ日本史 第1シリーズ #29 「正直すぎ、石田三成!」に登場する石田三成

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いかがでしたでしょうか?

偉人から学べることはまだまだたくさんあります。

ぜひ他の記事も参考にして明日から役立ててみてくださいね。

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プロフィール

asuka(30代)

twitter : asuka@麒麟を待つおんな

超ライトな歴史好き(歴史勉強中)

歴史は大人になってからの方が面白いと気付いた元日本史アレルギーのアラサーOL