今回は日本史の教科書で1番最初に登場する人物、邪馬台国を納めた女性、卑弥呼を取り上げます。
でました卑弥呼!
日本の歴史で1番最初に登場する人が、女性っていうのもまたいいよね。
歴史の教科書にでてくるこの卑弥呼の肖像画をいまだに覚えている人も多いと思います。
それだけ卑弥呼ってなんだかインパクトありましたよね。
今回はこの卑弥呼から学ぶ処世術をご紹介します。
目次
卑弥呼のプロフィール

名前:卑弥呼(ひみこ)
生まれた時期: 187年
生まれ: 邪馬台国(今の日本)
仕事:王女
まずは卑弥呼についてサクっとおさらいしてみよう。
卑弥呼は日本の歴史上確認できる最初の登場人物

最初の日本人の存在は、おとなり中国の歴史書『三国志』の一部「魏志倭人伝」で初めて明らかになりました。
もしそこに卑弥呼のことが記されていなければ…その当時日本人が存在した事実すら危うかったかもしれません。
そう考えると、かなり貴重な存在ということはわかりますよね。
だからこそ歴史家たちはこの初登場した謎の女「卑弥呼」に執着するんですね。
卑弥呼は魏(中国)から国王として認められた

当時の魏・呉・蜀など中国にある国々はアジア諸国で世界的に最先端な国として、強大なパワーを持っていました。
そんな大国から、おそれおおくも奴国(日本)の国王としての称号(例の金印です)をもらうことに成功したのがそう、卑弥呼です。
当時はインターネットや物流もまだまだ発達しておらず、遠く離れた中国大陸との交流をするのだって命がけの船の旅での上でした。
卑弥呼はそんな難儀な中、わざわざ中国大陸に使いを送り、貢物をして自分の存在を大国に知らしめることに成功するのです。
卑弥呼は超能力で国内を治めた女王

卑弥呼の時代はまだ「日本」という国はなく、今でいう都道府県みたいな組織がそれぞれ独立してしのぎを削っていました。
そんな組織同士が領土や権力をめぐって毎日のようにバトルしていた混乱の時代。
人々は戦に明け暮れ、へとへとでした。
しかも当時は雨が全然降らない時期が平気で何か月も続いたりで、自然からとれるすべての食糧が尽きてしまい、人々が飢えに苦しんでいる時期でもありました。
毎日戦争でしかも食糧ないとか地獄じゃん…
そんな地獄の時代に、国を治めたのが卑弥呼でした。
卑弥呼は、神との交信ができる特殊能力をもつ「シャーマン」として、人々にお告げをすることで希望を与えました。
雨が降らない日が続いたときは、天の神様に向かって雨乞いをして天候を左右させる能力があったといわれています。
もちろん、ほんとうに特殊能力があったかは定かではありません。
ただ、夢も希望もない絶望の世界から、人々もまた卑弥呼を信仰することで救われていったのです。
卑弥呼から学ぶ処世術
まだまだ謎の多い邪馬台国時代。卑弥呼もまた謎の多い存在です。
ただ、歴史上確認できることから、卑弥呼の能力はなにも「超能力」に限られていたことではなく、人間臭い一面があったのではと感じます。
そんな卑弥呼から学べる処世術はたくさんあります。
卑弥呼は自己プロデュースのプロ

歴史をたどると、卑弥呼は自己プロデュース力がとても高かったといえます。
卑弥呼は邪馬台国の王になる前から「自然を操ることができる人」として成功しました。
卑弥呼は神との意思疎通ができる「シャーマン」として雨を降らせる不思議な能力があると信じられ崇められていました。
卑弥呼が本当に能力があったかはわかりませんが、雨が降るまでただただ祈り続けたと言われています。
3日たっても7日たっても10日たってもまだ祈り続ける…30日目でようやく雨が降ったらそれはもう「卑弥呼様のおかげじゃー!」になってしまうわけです。
要はなんでも自分がいたから成功したと周りに思わせることが大切ということです。
このプロジェクトが成功したのはA社をその気にさせた自分のおかげ!
部下がやる気を出し始めたのは自分のおかげ!
そう周りに思わせることであなたの評価は上がっていきます。
パフォーマンスでとことん演出

王女になった後は、当時非常に珍しかった銅鏡(どうきょう・大きな鏡)を使って神秘的な世界を演出しました。
まで言うスポットライトのような手法ですね。
マジシャンや超能力者はテレビに出る時も不思議な服を着て、派手な音楽や照明でミステリアスな演出をしていますね。
当時はそんな技術はないですが、卑弥呼は民衆の前に姿を現す際、夜明けに大量の鏡を使って太陽を反射させ民衆の前でミステリアスな演出をしてその威厳を保っていたといわれています。
見せたい自分のイメージ通りに見てほしいなら、そのような服装や身なり、言葉遣いにまで気を遣いましょう。
強い者に媚びてお墨付きをもらう

卑弥呼が治めていた邪馬台国には敵対する勢力狗奴国(くなこく)がいました。
彼らはことあるごとに邪馬台国に戦いを仕掛けてくるせいで卑弥呼を悩ませていました。
そこで卑弥呼はお隣の大国である魏(ぎ・今の中国)に遣いを送って、奴隷や高価な品を貢ぎ、自分をアピールしたんです。
魏の王にすっかり気に入られた卑弥呼はお返しに「金印」をもらい、それを使うことでライバルの組織に「私のバックには大国がおんねんぞ」と舐められないように、周りを威嚇することに成功したんです。
多少汚い手をつかってでも仲良くしておくことで「あいつは社長にきにいられてるからなぁ変なことできないな」と、周りをけん制することができます。
誰につくべきか見極める洞察力

となりの中国では国が大きく3つに分かれていました(いわゆる三国志時代です)。
魏・呉・蜀(ぎ・ご・しょく)という3大勢力に分かれ互いに勢力を拡大しながら互いを制圧しようと争いが続いていた時代だったんです。
魏が優勢と思ったら、今度は呉が優勢と戦線はめまぐるしく変化しました。
魏か呉どちらに媚びたらいいのか、卑弥呼はきっと悩んだことでしょう。
そんな中勝利が魏に傾き始めたのを見極め、卑弥呼はいち早く魏に遣いを送ったんです。
その外交力と強い洞察力、そして素早い行動は未だに英断として残っています。
誰に従うべきか、次期リーダーを見極めるためにも冷静に洞察しましょう。
いかがでしたでしょうか?
偉人から学べることはまだまだたくさんあります。
ぜひ他の記事も参考にして明日から役立ててみてくださいね。
漫画でもっと卑弥呼を知ろう

日本史に登場する偉人たちをもっと気軽に学ぶには、小説よりもドラマチックな漫画がおすすめです。
小学館から出ている「卑弥呼 -真説・邪馬台国伝-」はサスペンス感もあってハラハラドキドキでお勧めです。
アニメでもっと卑弥呼を知ろう

日本史に登場する偉人たちが、みーんなネコだったら…?というユニークな切り口で1話10分程度の短いストーリーで偉人の個性と、歴史的背景にスポットを当てて紹介していく「ねこねこ日本史」シリーズ。
お子さんからお年寄りまで誰にでもわかりやすく、気軽に学べるため最近ではNHKでもOAされています。
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